ムーニーマンの製品特性分析の利用は巧妙
今日はおむつで。
うちの娘もただ今絶賛トイレトレーニング中ですが、
我が家はP&Gのパンパース派閥です。
で
も今日はユニチャーム、
ユニチャームと言えば、
新型インフルエンザの影響で
マスクが売れに売れたはずです。
そん
なユニチャームの国内市場シェアを見てみると、
子供用オムツ1位
生理用品1位
マスク1位
大人用紙オムツ1位
・・・
(な
んだか某化粧品のCMのよう・・)
と国内では約10分野でシェア1位を獲得しており、
10年3月期(連結)も8期連続で増収を達
成しています。
日本は今不況脱却に精一杯のデフレ状況に加え、少子化です。
そんな中、今年1月、
P&G
がパンパースを値下げしました。
パンパースって、他メーカーよりも実は高いので、
競合品と同等まで下げてきたということです。
ユ
ニチャームのムーニーマンはシェアは1位ですが、
良くお母さん方の意見では
パンパースが良い、という意見を聞きます。
と
いうことは価格が同じならどうなるのか、
製品のガチンコ勝負です。
・・・がマーケティング的に考えると
ちょっと面白い一
面も見えてきます。
製品戦略は、
「中核」、「実体」、「付随機能」
で考えます。
中核はまさにそ
の製品の中核となる価値、
例えば、車なら「移動する」といったものです。
「実体」はその中核を実現するもの、
車ならインテリアやエアバッグ等ですね。
さらに「付随機能」はなくてもいいけどあったらいいと思うものです。
車なら駐車補助機能とかですか。
オムツの中核はもちろん
トイレでなくても子供が用を足せるということです。
では
実体はというと、
通気性や履き心地、というところだと思います。
でこの2社の勝負どころを考えてみると、
どちらも実体勝
負です。
パンパースは
おしりの濡れた感じやもれなどを解消すべく
最長10時間の吸収力とさらさら感で勝負しています。
一
方、ムーニーマンはというと、
通気性とフィット感あたりでしょうか。
これだけでいうと本当に実体でのガチンコ勝負ですね。
ど
ちらかの付加価値に賛同する人が
それらを買うという食い合いです。
ところが、ムーニーマンは
その製品だけでの勝負はして
いないところが
非常にマーケティング的に上手いところです。
実は、P&Gにはオムツでもうひとつブランドを持っていま
す。
「マミーポコ」です。
このマミーポコはどこで勝負しているかというと、
「付随機能」で勝負しています。
い
わゆるキャラクターです。
マミーポコにはミッキーマウスが使われています。
年齢的に訴求力は抜群です。
ではマ
ミーポコはムーニーマンと
カニバリゼーション(食い合い)起こすかというとそういうわけではありません。
このマミーポコは
実
はムーミーマンへの布石なのです。
付随機能であるキャラクターでひきつけておいて、
実体機能訴求も徐々にしていく、
そ
して年齢とともにムーニーマンへの自然な移行を
促しているのです。
加えて、本体のムーニーマンは
今夏から「ムーニーマン
下着仕立て」を発売予定です。
これは、不織布自体に伸縮性を持たせ、
締め付けの原因となるお腹周りのゴムをなくしてしまうという
画
期的商品です。
「締め付けなし」
という新たな「実態」が製品の付加価値として
加えられたわけです。
こ
ういう流れでみていると、
購買の移行を上手く利用しながら
製品戦略を組んでいることが分かります。
とはいえ、こ
の少子化の中
各メーカーとの競争はさらに激化します。
オムツは確かに子供のものなので
子供目線が重要ですが、
今
度は親目線での付加価値が重要になると思います。
とりわけ、「履かせ易さ」というところは
フォーカスして欲しいところですね。
2
つのブランドを上手く利用するという
若干特殊な例でしたが、
マーケティングの例としては好例のように思います。