人月単価と残業代、真に必要なのはどっち!?

今日、お客さんと話していてふと真面目に人月単価を考えた。

人月単価とは何か!?
いわずもがな1人月に支払われるお金である。

これは会社ではなく、個人としてとらえると何になるかというと、
その人の「価値」に他ならない。

さて、忙しいときは残業代が非常に支払われることとなる、が、
これはどういうことかを考えたことがあるだろうか。

簡単で、会社の収益を圧迫するお金、
とか堅苦しいことを言うつもりはない。

働いた分はもらえば良いと思う。

すこし視点を変えてみると、
個人の価値によらず支払われる代金
と見ることもできる。
(実際には地位によって異なるだろうがまぁそこはさておき)

一方、人月単価はどうだろうか。
こちらはまぎれもないその人の価値である。

自分の価値を高める、とは
評判とかそういった定性的なものではなく、
単価だと考えた場合はどうだろうか。
自分の価値は高いだろうか。

価値を高める=単価を上げる、
(価値が高い=単価が高い)

と考えたときと自己評価は変わらないだろうか。

悲しいことに他人の評価は正しい。
年齢に関係なく、自分の価値は適正か、
そして高めるためには何が必要か、

定期的に自分を見直すためにも考えておきたいところである。

今の気持ちを備忘録として残しておく。

[読了時間30秒]

 今、とあるマルチベンダのプロジェクトに参画している。といっても、私は某有名ベンダのSESとして働いているので自社の名前を出すことも基本的にはないような毎日を過ごしている。そのマルチベンダの企業といえば、IT業界で言えば名だたる企業ばかり、そんな中で仕事ができることはとても励みになるし、勉強になる。

 そんな中、今日、プロジェクトの要件定義フェーズ夜キックオフが行われた。

 2時間程度の立食形式のキックオフだったが、1時間ほどたつと、各ベンダから数人ずつ挨拶が行われ、場が盛り上がった・・・がもちろんそんな場でも自社の名前が出ることはあるわけがない。私もその場には某有名ベンダの一員としているので、自社の名前を出すことも特にないわけだ。

 そんな時間を過ごしていると、妙に悔しく、寂しい気分になったなぁ、と。こんな悔しい思いってあるんだな、と不思議な気がした。この個人の時代にそんなに会社に固執してどうする?といわれそうだが、私はどんな分野でもいいから、この企業たちと肩を並べて挨拶ができるようになろう、そんなことを強く心に誓ったし、強くなろうとも思った。

 このプロジェクトはもう数年続いているプロジェクトなので、同じような立場の自社の人間が数人いるわけだが、他の自社の人間はそんなことを感じていなかったことも少し寂しかったかも・・・。

 まぁ1年もたてば自分の感覚も変わっているかもしれないけど、今の気持ちを備忘録として残しておこうと思った記念の記事として。

山ガールを狙うファッショナブル登山グッズレンタル

[読了時間 約1分]

 エコノワは主にヘアケア商品を輸入販売している企業、シャンプーや頭皮の美容液等を販売している。また、法人営業もしているようなので、小売でありながら卸売的なことも行っているようだ。そんなエコノワが新しくキュートレックというサイトを立ち上げた。これは、登山グッズのレンタルサイトだ。
 ターゲットは女性であり、いやゆる「山ガール」向けとなっている。大型リュックや登山シューズ、レインウェア、ザック等を貸し出すが、ターゲットが女性だけあって、デザインや色が複数用意され、機能性はもちろんファッション性を重視している。

 しかし今なぜ登山グッズのレンタルなのだろうか。ひとつは登山人口の増加だろう。登山人口の推移を調べてみると、確かに20代〜40代でとりわけ顕著に増えている。若年層に増えているということは、初心者が数多くなっているに違いない。そうなれば、困るのは知識とコストである。初めての場合、特に高級品を購入するのはためらわれるが、そもそもまた登りたいと思うかどうかすら分からない。そんな時にレンタル、である。また、知識もないなら何を借りていいかも分からないものだが、キュートレックを見ると憎らしくも「セット商品」なるものが用意されている。その内容はこんな感じになっている。

  • 日帰り登山3点セット(低山登山)
  • 初めての日帰り登山6点セット(低山ハイク)
  • 1泊2日山小屋泊6点セット
  • 富士登山1泊2日6点セット(レディース)

日帰り登山3点セットは1泊2日で6,500円、同社の参考小売価格は27,395円なので初心者やたまに登る程度ならこれで十分だ。貸し出しはサイトで受付を行うと登山予定の2日前に送ってこられ、使用後は汚れたまま送り返せばよいようだ。また、雨等で登山ができなかった場合、50%がポイントバックされ、次回以降に使用できる。

このレンタルサイトは、確かに山ガールが増えたこともあるが、もうひとつ同社の根幹であるエコも関係しているに違いない。不要なものを購入するよりはレンタルで、という感じだろうか。

ビジネスモデルとしてはちょっと悩ましいのだが、こんな感じだろうか。

・レンタル品を2次利用する2次利用モデル
・レンタル品自体はエコノワが購入するので小売ともいえる。
・エコノワの本体、ヘアケア製品等は小売モデル

大抵の場合、こういったサイトは購買と連携していると見ていたが、キュートレックには販売への誘導線がない。つまり、レンタル品を広告とした購買ラインを持っていないのだ。なので、合計モデルはあてはまらないことになり、シューズやザック単品を組み合わせを変えるなどしてレンタル幅をあげる単純な2次利用モデルとなっている。図にするとこんな感じ。

将来的には、商品タイアップ等も初めて、購買への誘導が出てくるのではないだろうか。

GREEN DA・KA・RAと本家DAKARAの違いと狙いを紐解いてみた

[読了時間 約1分]

 先日、サントリーからGREEN DAKARAなる飲料が発売された。私は、電車のつり広告で見かけたので、早速コンビニで購入して飲んでみた。感想としては「あまりDAKARAと変わらない」につきるのだが、サントリーがそんなカニバリ(共食い)を起こすような製品を出すわけがないとDAKARAのWebサイトとGREEN DAKARAのWebサイトをじっと見ていたらばやはり違いはあった。

GREEN DAKARADAKARAの違い

 結論から言えば、ナトリウムの含有量が異なっていた。同含有量はDAKARA 0mgに対し、GREEN DAKARAは40mg/100mlである。これは何を意味しているのかを考えてみる。

そもそもDAKARAはどうやって生まれたか


 さて、ここで話をDAKARAの発売前に戻してみたい。DAKARAと似たような(?)飲料と言えばアクエリアスとポカリであるが、この2強にDAKARAはどう立ち向かったのだろうか。これは有名な話だが、この3者のポジショニングを見てみると分かる。
 アクエリアスは「アスリートが選んだ水分補給」を訴求するくらいスポーツのおともにというポジションは明確だ。ポカリはどうだろうか。スムーズな水分補給を追求し「発汗状態におかれている場合に飲む飲料」というポジションをとっている。一般的には病気や二日酔いに、というイメージも根強いことだろう。
 そこへDAKARAはどんなポジショニングで戦いを挑んだのだろう。DAKARAが実は「病気予防」というポジショニングをとっている。具体的には、日本人に日々不足しがちな栄養素を補うというポジショニングである。そのため、カルシウム、マグネシウムカリウム、ビタミン、食物繊維、ナイアシンなどの不足しがちな成分を含んでいるわけだ。

GREEN DAKARADAKARAは補給対象が違う

 DAKARAは「日々不足しがちな栄養素補給」というからには、毎日の水分補給が狙いなはずだ。といったところでGREEN DAKARAのサイトを見てみるとこう書いてある。

「日常生活において汗などで失われた水分とミネラルを効率良く体に補給できるように、11種類の素材と純粋だけでミネラル濃度と浸透圧を調整しました」

つまり、日常の水分補給には違いないが、水分に加えてミネラル(ナトリウム、カリウム)を補給というところがDAKARAとの明確な違いなわけだ。

GREEN DAKARAの狙い

 ではなぜGREEN DAKARAはミネラル補給なのか。実は熱中症対策である。GREEN DAKARAのサイトにも書いてあるが、熱中症に関しては環境省熱中症環境保険マニュアルというものを出しており、その中にこんなことが書いてある。

汗をたくさんかく場合には塩分の補給も必要です。(略)(飲料の場合、ナトリウム量は100mlあたり40〜80mgが適当)

原発の再稼動は厳しい最中、今年も節電は必至、そうなれば熱中症ももちろん増加する。そうした動きに対応したナトリウム補給飲料というわけだ。熱中症対策飲料と言っても良いかもしれない。

製品特性分析で考える

 製品特性で考えれば、DAKARAが中核に「不足しがちな栄養素を補う」を置いているのに対し、GREEN DAKARAは「汗によって奪われる塩分を補う」としているわけだ。(実体、付随機能は同じ)

両者のターゲット

 ではターゲットはどうだろう。ざっくり考えれば、日々の栄養素を補いたいと考えるのは大人であり、熱中症にかかり易いのは子供(&お年より)である。GREEN DAKARAのCMや広告に子供が使われていると考えれば、やはり子供が中心、とりわけ小学校低学年くらいまでがメインの層に違いない(地面と近いという点で)。

DAKARAではなくポカリと対立!?


 とここまで書いてくると、GREEN DAKARADAKARAと競合しないことは理解できるが、感のいい人は「それってポカリと競合してるんじゃ?」と思うに違いない。ポカリもナトリウムを49mg/100ml含んでいるので、きっとサントリーも考えただろう(ちなみにアクエリアスのナトリウム含有量は34mg/100mlと基準に満たない)。これに対してはサントリーのGREEN DAKARAのサイトにはこうも書いている。

11種類の素材由来のミネラルやアミノ酸クエン酸などを含んだ体にやさしい水分補給飲料なので、安心してお飲みいただけます。

おりしも原発による食材不振やら何やら、特に子供の体のために食材には気を配る母親は多いことだろう。サントリーはそこを上手くついている。社会状況を考慮した憎らしいほどの手の打ちようだ。

初めて出会う顧客とコミュニケーションをとるためにやっておくべき8つのこと 『[書評]顧客を動かす!インタビュー式営業術』

読了時間:1分

顧客を動かす!インタビュー式営業術

顧客を動かす!インタビュー式営業術

 3章までは心構え的なことが多く書かれているので、この手の話で真面目に悩んでいる人はさらっと読むくらいでよいと思う。4章にはこれから営業をかける前の予備調査として何をすべきかという点で参考になるトピックが結構あったのでその辺りを忘れないようにまとめておく。

#1. 検索で相手企業のマップをつくる
 相手の社名、業界で100件くらいの記事に目を通して大まかに理解し、自分のアタマの仲に相手企業に対する大まかなマップを作る。
#2. 社名&キーワードで検索する
 相手の主力製品、経営者名に「募集」を追加して検索。製品に対する評価情報、経営者のインタビュー記事、どんな人材を雇いたいのか辺りをチェック。また、リクルート情報からは社内事情が見えてくる可能性もあり。
#3. 2chから情報を拾う
 給料遅配やボーナスカット情報、また技術評価など使える情報を拾い集める。
#4. 会社概要をチェックする
 会社概要は印刷して赤線を引くくらいの覚悟で読み込む。トップメッセージは相手が抱えている課題・今後の方向性であるため、しっかりとチェックしておく。(この課題を解決できる製品・サービスや方向性にマッチする提案なら乗ってくれる可能性が高い。)
#5. IR情報をチェックする
 有価証券報告書に目を通す。また、数字を見るときは単年度ではなく必ず複数年の変化を見る。(売上、営業利益、純利益等の推移状況をグラフにする)売上が伸びているのに利益が落ちている等の変化には要注意。
#6. 年次報告書をチェックする
 年次報告書(アニュアルレポート)は年毎の表現の変化に注意する。表現を変える理由は自社やマーケットになんらかの変化があったことを示している。
#7. 中途採用は部署をチェックする
 中途採用を募集している部署は即戦力を欲しがっている。ということは、その部署には何らかの課題を抱えているか、伸ばしたい部署であるに違いない。その仮定を年次報告書やトップメッセージと重ねてみると何かが見えてくる可能性がある。
#8. 自分なりの仮説を立てておく
 調べた情報によって、相手の問題点や課題がおぼろげながらでも見えてきたら、考えるべきことは「自社製品・サービスが相手企業から必要とされるとすればそれはどんな状況か」の1点に絞って仮説を組み立てる。相手企業の将来ビジョンと現状のギャップから考えられる相手企業にとっての戦略オプションをリストアップし、それとリンクするにはどんな製品・サービスが必要か、あるいは既存製品・サービスがあるならばどういう環境になればより関わりが深くなるのかを考えていって仮説を導き出す。

 こうした予備調査でできる事実と、その上に広がる自分としての課題解決等に関わる仮設が、実際に対面する相手企業の担当者と話す際のバックボーンとして重要な役割を果たす。

ベランダ菜園 「袋で育てる野菜セット」が節約・食育に貢献

読了時間2分

 園芸資材を製造・販売するプロトリーフが消費者の需要の変化に対応した戦略を推しすすめ、成長している。プロトリーフは3月に「袋で育てる菜園セット」を発売。ミニトマト、きゅうり、ナスが袋のまま育てられ、価格は980円とお手ごろだ。収穫も体験できるため、子供の食育にも役立つ。

 園芸資材は根強い園芸ファンが支えている、のは一側面では間違いではない。しかし、潜在的ニーズはないのだろうか。そこをプロトリーフは掘り起こした。この「袋で育てる菜園セット」のターゲットは、「都心のマンションに住む、共働きで子供がいる世帯(の女性)」である。都心、しかもマンションで、共働き、さらに子供がいる世帯とずいぶんと絞り込んできたが、これには訳がある。説明するまでもなく、同世帯では庭もない家庭が多い、ちょっとした菜園ならと思っても、プランターを買って、肥料を・・・とまでするのは億劫である。ならば、と億劫さには必要なものはすべて入ったセットもので対応している(しかも衣料用の粉末洗剤2個程度の大きさとコンパクト)。子供がいると土を食べたりこぼされたりするのも心配だが、そこも「袋で育てる」ということで解決している。

 実はこれは社会状況から考えてもとても秀逸な戦略のように思う。都会は土が少なく、土に触れる機会を持たせてあげたいと思うマンション住まいの親は多いことだろう。また、都会ではとくに偏食などから「食育」にも力を入れている。さらに、昨年から節電/経済の停滞から節約志向世帯の心も捉えるに違いない。
 
 また、漏れなく同社も高齢者に対応している。土は重くて持ち運ぶのが大変だが、高齢者にも大丈夫なように11年にジュートプランターという麻で作った持ち手付きのバッグも販売している。省スペースと持ち運びやすさを考えた高齢者対応だ。

 こうした社会や経済の動向、いわゆるPEST分析がしっかりとなされた戦略ととらえることができる。この事例はプロトリーフの綿密なマーケティングによる新しいニーズの発掘が成功している事例ではあるが、その前提でビジネスモデルを見てみるとこんな感じになる。

 ・菜園ファン等による、土や菜園カバー、はさみ等を総合的に販売する合計モデル
 ・肥料は定期的に必要なので継続モデル

 図で書くとこんな感じになる。


 
 この二つのモデルの融合体であり、「袋で育てる菜園セット」でつかんだ層が菜園ファンに育てることで、本体の収益もあがることを狙っている。

フィットネス施設「カーブス」のサンプリング業務拡大の狙い

[読了時間1分30秒]

 先日のコナミスポーツクラブに続いて、フィットネスクラブもので。カーブスは株式会社カーブスジャパンが経営するフランチャイズチェーンシステムによるフィットネス施設。2005年に設立し、2011年6月には店舗は全国に1000店以上、会員数は40万人にのぼる。また、会員誌カーブスマガジンは全国の会員に向けて約30万部発行されている。そんなカーブスが企業から受託するサンプリング業務を拡大する。

 サンプリング業務とは、企業がカーブスにサンプルを提供し、それをカーブスのインストラクタを通じて会員にサンプリングしたり、前述の「カーブスマガジン」に広告をだしたりすることだ。サンプルを提供する企業は大塚製薬等の健康食品メーカーやスポーツ飲料メーカー等である。

 サンプルを提供する各企業の狙いは何だろうか。その最大の狙いはチャネルの確保にある。カーブスが持つ中高年を中心とした40万人以上の会員は、高齢化社会の中、健康に気を使う層に違いない。実はカーブスは女性限定、かつ40代以上が88%を占めている層としては限定されている。健康や美容に興味のある数十万人の女性に直接サンプリングできるチャネルはそうそうない。特に健康食品や栄養食品を販売する企業にとっては非常に有効なチャネルになる。カーブスの受注単価は、3万〜5万個で1個50円、パンフ等の印刷物を提供する場合は追加で1枚10円と結構シビアの価格だが、コスト対効果という面ではそれでもサンプリング企業側にメリットはある。
 また、カーブスはサンプリング業務を請け負う企業としても差別化をはかっている。カーブス会員を利用した高いアンケート回答率によって会員の評価や要望を企業に提供できることは、他の企業にはできない差別化ポイントになる。
 
 もちろんこのサンプリング業務はカーブスにとってもただ利益を得るための副業事業ではない。カーブスはこの業務を通じた会員増を狙っている。会員にとってはサンプリング商品は無料でもらえる商品、これによって得した感を会員に与え、クチコミや満足度向上に寄与しているわけだ。 

 そんなカーブスの事業をビジネスモデルにまとめるとポイントは3点。

 ・フィットネス会員による月額収入の継続モデル
 ・サンプリング業務によって企業と消費者のマッチングの場を提供するマッチングモデル
 ・(カーブスを宣伝の場と考えれば)広告の場を提供する広告モデル

図解するとこんな感じになる。