山ガールを狙うファッショナブル登山グッズレンタル

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 エコノワは主にヘアケア商品を輸入販売している企業、シャンプーや頭皮の美容液等を販売している。また、法人営業もしているようなので、小売でありながら卸売的なことも行っているようだ。そんなエコノワが新しくキュートレックというサイトを立ち上げた。これは、登山グッズのレンタルサイトだ。
 ターゲットは女性であり、いやゆる「山ガール」向けとなっている。大型リュックや登山シューズ、レインウェア、ザック等を貸し出すが、ターゲットが女性だけあって、デザインや色が複数用意され、機能性はもちろんファッション性を重視している。

 しかし今なぜ登山グッズのレンタルなのだろうか。ひとつは登山人口の増加だろう。登山人口の推移を調べてみると、確かに20代〜40代でとりわけ顕著に増えている。若年層に増えているということは、初心者が数多くなっているに違いない。そうなれば、困るのは知識とコストである。初めての場合、特に高級品を購入するのはためらわれるが、そもそもまた登りたいと思うかどうかすら分からない。そんな時にレンタル、である。また、知識もないなら何を借りていいかも分からないものだが、キュートレックを見ると憎らしくも「セット商品」なるものが用意されている。その内容はこんな感じになっている。

  • 日帰り登山3点セット(低山登山)
  • 初めての日帰り登山6点セット(低山ハイク)
  • 1泊2日山小屋泊6点セット
  • 富士登山1泊2日6点セット(レディース)

日帰り登山3点セットは1泊2日で6,500円、同社の参考小売価格は27,395円なので初心者やたまに登る程度ならこれで十分だ。貸し出しはサイトで受付を行うと登山予定の2日前に送ってこられ、使用後は汚れたまま送り返せばよいようだ。また、雨等で登山ができなかった場合、50%がポイントバックされ、次回以降に使用できる。

このレンタルサイトは、確かに山ガールが増えたこともあるが、もうひとつ同社の根幹であるエコも関係しているに違いない。不要なものを購入するよりはレンタルで、という感じだろうか。

ビジネスモデルとしてはちょっと悩ましいのだが、こんな感じだろうか。

・レンタル品を2次利用する2次利用モデル
・レンタル品自体はエコノワが購入するので小売ともいえる。
・エコノワの本体、ヘアケア製品等は小売モデル

大抵の場合、こういったサイトは購買と連携していると見ていたが、キュートレックには販売への誘導線がない。つまり、レンタル品を広告とした購買ラインを持っていないのだ。なので、合計モデルはあてはまらないことになり、シューズやザック単品を組み合わせを変えるなどしてレンタル幅をあげる単純な2次利用モデルとなっている。図にするとこんな感じ。

将来的には、商品タイアップ等も初めて、購買への誘導が出てくるのではないだろうか。