初めて出会う顧客とコミュニケーションをとるためにやっておくべき8つのこと 『[書評]顧客を動かす!インタビュー式営業術』

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顧客を動かす!インタビュー式営業術

顧客を動かす!インタビュー式営業術

 3章までは心構え的なことが多く書かれているので、この手の話で真面目に悩んでいる人はさらっと読むくらいでよいと思う。4章にはこれから営業をかける前の予備調査として何をすべきかという点で参考になるトピックが結構あったのでその辺りを忘れないようにまとめておく。

#1. 検索で相手企業のマップをつくる
 相手の社名、業界で100件くらいの記事に目を通して大まかに理解し、自分のアタマの仲に相手企業に対する大まかなマップを作る。
#2. 社名&キーワードで検索する
 相手の主力製品、経営者名に「募集」を追加して検索。製品に対する評価情報、経営者のインタビュー記事、どんな人材を雇いたいのか辺りをチェック。また、リクルート情報からは社内事情が見えてくる可能性もあり。
#3. 2chから情報を拾う
 給料遅配やボーナスカット情報、また技術評価など使える情報を拾い集める。
#4. 会社概要をチェックする
 会社概要は印刷して赤線を引くくらいの覚悟で読み込む。トップメッセージは相手が抱えている課題・今後の方向性であるため、しっかりとチェックしておく。(この課題を解決できる製品・サービスや方向性にマッチする提案なら乗ってくれる可能性が高い。)
#5. IR情報をチェックする
 有価証券報告書に目を通す。また、数字を見るときは単年度ではなく必ず複数年の変化を見る。(売上、営業利益、純利益等の推移状況をグラフにする)売上が伸びているのに利益が落ちている等の変化には要注意。
#6. 年次報告書をチェックする
 年次報告書(アニュアルレポート)は年毎の表現の変化に注意する。表現を変える理由は自社やマーケットになんらかの変化があったことを示している。
#7. 中途採用は部署をチェックする
 中途採用を募集している部署は即戦力を欲しがっている。ということは、その部署には何らかの課題を抱えているか、伸ばしたい部署であるに違いない。その仮定を年次報告書やトップメッセージと重ねてみると何かが見えてくる可能性がある。
#8. 自分なりの仮説を立てておく
 調べた情報によって、相手の問題点や課題がおぼろげながらでも見えてきたら、考えるべきことは「自社製品・サービスが相手企業から必要とされるとすればそれはどんな状況か」の1点に絞って仮説を組み立てる。相手企業の将来ビジョンと現状のギャップから考えられる相手企業にとっての戦略オプションをリストアップし、それとリンクするにはどんな製品・サービスが必要か、あるいは既存製品・サービスがあるならばどういう環境になればより関わりが深くなるのかを考えていって仮説を導き出す。

 こうした予備調査でできる事実と、その上に広がる自分としての課題解決等に関わる仮設が、実際に対面する相手企業の担当者と話す際のバックボーンとして重要な役割を果たす。