悪い意味で「入社したときと変わった」って言われた件

最近、入社したときから比較的仲良くしてもらっている先輩と同じプロジェクトをやっている。そんな先輩との付き合いで最近思ったことを。

入社して3年くらいの頃の自分の主張

その先輩とは野球部に入ったことが出会いだったが、入社してから3年くらいはたまに飲みに行ったりしていたので結構会社のことについても話したりしていた。結構その先輩は先進的な人だったので、色々とこっちから「あぁすべき、こうすべき」と言っても「そうだよなぁ」って真面目に聞いてくれていた。その頃って、自分に何も力がなかったのもあって、「何でこうしないんだろう」という思いを「あの部署が」とか「あの人が」と人のせいにばかりしていた記憶がある。よくある若い者が上司に食いつく、みたいな。

やる必要があるか、ないか

いわゆる理想と現実の乖離というのはどこにでも転がっている話だ。たいていの人が理想と現実とのギャップに苦しむのかもしれないが、色々な理由でその人にとってその乖離を解決する必要はない場合(理由)は多い。

  • 今現在、特に不利益を被っていない(将来的に被るかもしれないが、それはまだ真剣に考えていない)
  • 今までもどうにかなってきたし、何らかの形でどうにかなる(だろう)
  • 本当にどうしようもなければ自分ではない誰かが動く(だろう)
  • そもそも理想がない
  • 頭では思っているがどうしたものか、と思いつつ仕事に忙殺されている。

などなど。まぁそれはそれだし、これが現実ならここからスタートするだけであって、すべての人間が理想と現実に苦しんで解決策に没頭すべき、なんてことを言うつもりはない。大きくは理想と現実の乖離をなくそう、と思ってその必要があると感じている人とそうでない人に分かれていて、前者の人は何気に苦しんだりしてる、という現実が目の前にあるだけだ、とそう思う。

やる必要があるなら

入社6年もする頃、違うある先輩と出会った。技術が好きな先輩で、一緒に新しい技術を使ってみたり、支援として厳しい立場に立ったりした。その先輩と会って話していくうちに、お互いの目指すところは違えど、やるべきことをどうやって実現するか、とかそういうことも同じ立場から真剣に考えるようになった。そもそも組織にいる以上、自分の言っていることが正しいからといってその通りになるなんてことはもちろんない。集団や組織の流れというのは中々大きくて、何かを変えるのは容易じゃない。でも理想と現実の乖離を埋めようとするなら、主張だけはだめで誰かを動かすために動くしかない。

誰がやるのか

簡単に言うと、「あぁすべき、こうすべき」と言ってても「理想はそうだね」とか「言ってることは分かるけど難しいんだよね」とか言われて終わるだけなので、何かカタチを見せ付けたりするしかない。しかもそれは思った人、つまり自分がやるしかないわけだ。他人は誰もやってくれない、総論賛成各論反対の波に乗っかって満足できていれば問題ないが、それに不満があるならもう自分がやるしかない。でももちろん自分だけってわけではない。同じ志を持つ仲間は実はいっぱいいる。話してみれば実は隣の人は同じことを思ってたりするかもしれない。自分が先頭にたっても立たなくてもそんな人を巻き込みながら行動という流れを止めないのが他でもない「理想と現実の乖離に我慢ができずに立ち上がる人」の役割なんだと思う。つまりは、何も自分がリンカーンにならなくてもよくて、波を引き起こしてしまえば後は「志」がよりよい方向に導いてくれるはず、と言いたい。

カタチとは何か

「カタチ」とは何だろうか。それはシステムだったり組織だったりする。システムはともかく、一介の平社員が組織を作るなんて、と思うことなかれ。有志が集まって理想に近い行動ができるようになればそれはモデルケースにできる。とはいえ、組織というのは何かしらのアウトプットのためにカップリングされている。ならば、その理想に近い組織が成し遂げられる成果とはなんなのか、そういうことが現実に見せ付けることができれば、その考え方を本体に取り込む判断は上もし易い。結果、これは現実的な理想と現実の乖離の解決に大きく寄与することとなるはずだ。

まとめ

私が「(悪い意味で)入社したときと変わった」って言われたのは、前ほど周りに何も主張しなくなったからだろう。今の時点でこれは言い訳に聞こえるかもしれないが、私が思っている理想はあの頃と何も変わってはいない。ただ、やり方が変わっただけだ。あの頃は、「正しいことを言い続ければ誰かが答えてくる」と思っていた。でもそれは難しい。なので、それを思ったときから、自分で自ら解決するための第1歩として社内の仕事とは別の観点の社内勉強会を開催してみたり、マーケティング的な社内ブログを毎日更新してみたりした。その先に前述のモデルケースのようなものを見出そうとしていたわけだ。ともにそのやり方ですぐに上手くはいかなかったものの、入社3年のときとはできることが確実に進歩していると思っている。確かに確固たる結果を出せていないので、それは自己満足と言われるかもしれない。それでも、自分の行動のその先に入社3年のときに主張しつづけてきた理想と今の現実を必ず結びつけることができると思っているし、それが社内での自分の使命だと思っている。