管理職になった

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The 管理職

 さて、長らくブログを書いていなかったが、色々と論文やら何やらとバタついた結果、10月1日付けで管理職になった。念願・・・というほどではないけど、自分が目指す道の通過点の一つではあるので喜ばしいことだ。きっと社内では「あいつが?」とか色々な声があるに違いないが、こういうことを言ってはいけないのかもしれないけど「地位が人を作る」という言葉の通り、これから何とかなるんじゃないかと思っている。ダメだったら降格されるだけ、というほど無責任に思っているわけではないけれど、これから色々とこれまでの失敗とかを活かしながら、未来を見つつ、上司と、後輩と、一緒に素敵なことが実現できるよう尽力しようと思っている。

入社10年を振り返る

 今年で入社10年、もうすぐ10年勤続表彰も受けることになる。そんな10年を振り返ってみると、若気のいたりで上司に噛み付いたことも多くあるが、概ね良好な関係を築いてきたと思っているし、社内勉強会を何度も開催して頓挫したり、社内パネルディスカッションを小規模でやってみたり、と少しだけ業務以外のことにも力を入れてきたつもりだ。実は私は多くの年月を技術系ではあるが間接部門で過ごしてきたので、入社以来現場でバリバリやってきた人には負けることが多数ある(・・・とか言っていてはいけないんだろうけどそこはこれから挽回しようw)。ただ、それを理解した上で推薦してくれた上司や審査員たる役員の方々に昇格認定をもらったことは、もちろんベースとなる売上や利益への貢献は当たり前として、もっと違ったところでの活躍も期待されていると勝手に思っている。

陥り易い「理解あり過ぎる」ということの罠

 さて、少し話を入社時に戻してみたい。入社から3年くらいするとだいたい色んなことが見えてきて、少なくともまだやる気がある人は、「べき論」と「ある姿」とのギャップに噛み付き始めたりする。私もそのひとりだった。まぁだいたい一様に噛み付いたところで、「分かるけど難しいんだよ」とか、上手いというかずるい人は「そうだね、なんでそうしないんだろうね?」とか他人事のように返してきたり、ヒトによっては「じゃぁお前はどうなんだ?」くらいで怒られたりすることもあったわけだが(こんなことを思ったこともあったな、と⇒:言いだしっぺが言い負かされる主な理由と対策 - When I feel like it.)、そんなこんなを繰り返して地位も上がっていくと、上がこれまで言っていることが分かってきたりするわけです、良くも悪くも。それが何をもたらすか、というところがとても重要で、一番ヤバい症状は「あぁしょうがないことなんだ」とか納得してしまうことだ。それって何を表すかというと、自分が同じ立場になってそれを改善するのは大変なので諦めるのが一番楽、という立ち位置なのかと思う。少なくとも私はそうだ。つまり、これから自分の中のこの偽物の「理解ある人材」との闘いが始まるというわけだ。
 

昔思ったことと今の自分にできること

 昔上司や会社に不満を持ったことは今でも覚えていることもあるし、こうしたブログや社内のレポートに書いて残っていることも私の場合は多い(Wikiに悪態を書いていた痛い過去もあるw)。昔はそこまで考えていなかったが、そういうことを振り返れるということはとても最近役に立っている。というのは、地位があがると当たり前になったことでも下には理解できないことがそこに綴られているからだ。そういうことを一つ一つ今の立場で解決できることはやっていくのが使命、とかも勝手に思ったりしている。

実はみんな同じことを思っていることも多い

 これまで理由はないけどこういう習慣になっていて誰も変えようとしないのは「自分は困らない」からという理由が多いのかな、と思う。改革とまではいかないまでも「あれ?」と思うことはそこかしこにある問題だったりする。そういったことを変えるのはとても大変と若い人は思っているかもしれないが、実はそうでないこともたくさんあることに気づいて欲しい。ちょっと極端に言うと、みんな「誰かが言うのを待っている」こともたくさんある。だから勇気を出して言ってみると、意外とすんなり変わることも少なくない。

背中を押す労力は上に行くほど少なくなる

 散々言っといてなんだが、経験上まったく何もせずにいうだけで何かが変わるようなことはやはり少ない。でも、偉そうに言うとちょっと後ろから背中を押してあげることで変わることはたくさんある。その「ちょっと背中を押す」のが意外と大変で、いろんなところに了解をとらなければならなかったりするので少々面倒だ。実はそれを「権力」が助けてくれる。上にいけば行くほど、上が少なくなるし、自分の責任で頼むことができる人も多くなる。依頼された方も下から言われると上に了解を得なければならなかったりするので面倒だが、上から言われるのなら調整さえつけばやれる。

入社5年目あたりの転換期

 私の場合、色々上の話を聞いていて、入社5〜6年目くらいのときにこれは言っても変わらないなと思った瞬間というか時期があった。だってみんな言ってることはまともなので、それぞれの立場でそれぞれの事情があって、やむを得ない理由があるので、それをとやかく言っても始まらない。なら自分で権力を持とうと思った時期である。

権力には責任がつきもの

 いわずもがな権力には責任がついてくる。権力だけを行使することはできないことは誰もが理解している。ここが上にいくことが敬遠される理由、かもしれない(ホワイトカラーの残業問題もあるとは思うけど。)とはいえ売上と利益をあげる責任はやはり大前提なのでそこはまず第一に注力するしかない。その過程で入社3年目とかに私も色々言われるかもしれないが、そこをないがしろにするとやれることもやれなくなってしまうのでご理解頂きたいw。とはいえ、夢を語ることを忘れてはいけないだろう、とは思う。まぁこれからも利益にはもっと貪欲に、そして今まで溜め込んできた思いは会社ぐるみで上手くいくように動いていこうと思う。今ある日々が自分にも会社にも未来への投資であることを忘れずに。

こぼれ話

 最近、出向先で毎週まとめる資料が上手くまとまらず夜22時までかかってしまい、メールで上司に確認依頼をしたところ、指摘とは別に「作成ありがとう。それにしてもこんなに纏めるのは大変だったでしょう」という一言がまず最初に添えられていた。これには35になる私も感動を覚えたことを覚えている。こういう一言の積み重ねが部下との信頼関係を作っていくんだな、と深く心に刻んだ瞬間だった。