物語は心を捉える! 〜SoupStockTokyoの企画書
今日はスープ、
SoupStockTokyo
、おそらく都内では多くの方が
一度は行かれたこ
とがあるでしょう。
も
う1年くらいになるでしょうか、
そのSoupStockTokyoの経営元、
株式会社スマイルズの代表取締役、
遠山正道さんのパ
ネルディスカッションを聞いた記憶があります。
最近はジラフというネクタイのビジネスも手がけられていると思いますが、
遠山さん
に語られる有名な話のひとつに
SoupStockTokyoの企画書の話があります。
このSoupStockTokyo
を遠山さんが考えられたのは
友人と食事をしているときに
突然女性が一人でスープをすすっているシーンが頭に降臨してきたのだとか。
い
ろいろとその後、イメージを膨らませたそうですが、
「生活者」からはきっと共感を持たれるものの、
「飲食関係者」からは否定的な意見がく
るのがとてもいやだった遠山社長は、
いろいろ言われて潰されないようにするために
一発必中の作戦を考えました。
そ
れが、
「スープのある一日」
という物語形式の企画書だったのです。
3ヶ月かかって作り上げたそ
の企画書は、
スープを中心としたシーン、
お店の将来、会社の将来、
と様々な内容が書き込まれ、
特徴的なのは、
企
画が実現した未来のことを、さらにその先の未来から
振り返って過去形で書かれている、
ということです。
実際にそ
の企画書の冒頭は、こんな風に始まります。
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「1998年 スープのある一日」
scene
1
<プロローグ>
恵比寿の日本センタッキー・ブライト・キッチンの秘書室に勤める田中は
最近駒沢通りにできた(仮
称)SoupStockの具沢山スープと焼きたてパンが
大のお気に入りで、午前中はどのメニューにしようかと気もそ
ぞろだ。
・・・
===============(「スープでいきます」(遠山正道著)より引用)
物語で
語りながらも
「具沢山スープ」、「焼き立てパン」など
その企画店でのコンセプトは明確にしていきます。
この後もターゲッ
トや
ポジショニング、
そしてメニュー、立地、季節ごとの対策など、
企画として必要な事柄が見事に物語としてつむがれています。
興
味のある方はぜひ「スープでいきます」を読んでみて下さい。
企画は物語という方は多いです。
新しいことほどそこには夢が
あって、
どういうストーリーを描くのか、
ということは重要と言われます。
それは逆に言えば
そうでないと、組織や
人を動かすことが難しいからです。
しかし、ここまで本当の物語を演出する、
というのは中々勇気のいることだと思います。
色々と揶揄されて潰されないためには
一発で聞く人の心をつかまなければならない。
そういうことを愚直に考えた結果としてのこうした物語、
他にも「心をつかむ」ための方法は様々あると思いますが、
ひとつの事例として、
企画を作る、あるいは書く、レ
ビューするときには
とても参考になります。