マツダの『アイドリング・ストップにかけるオモイ』と巻き込む力
今日はマツダから。
マツダは昨年6月に「アクセラ」を発売しました。
(友人がこれを買ったのでよく覚えている)
そのアク
セラに初めて搭載されたものがありました。
i-stop
マツダが開発したアイドリングストップを行うシステムです。
ド
ライバーの手間をかけずに
自動でアイドリングストップを行うこのシステム、
個人的には勝手にストップされるとめんどくさい、
と
いうのはきっと振動や再始動の時間がかかるからだと思います。
もちろんそこはマツダもよく分かっていて、
この振動や再始
動の時間をどうするか、
というところに力を注いできたそうです。
でもいつ自動でストップをかけるのか、
も難しいところで
す。
交差点で曲がろうとしているときや渋滞時など
勝手にエンジンを止められては困ります。
そういう場面をどう感
知するか、
ハンドルの角度やブレーキの踏力など
様々なパラメーターからエンジンを停止しない設定を試みたとか。
さらに
は、
エンジン停止中にバッテリー性能が落ちない
などの工夫も必要です。
(自動アイドリングストップごとにエアコンやオーディオが
切れたら困る)
そうして出来上がったi-stop
ものが良くても売れないものはたくさんあります。
売るためには
何をしなければならないか、
ドライバーが如何に不安を覚えないようにするか
というところが勝負どころです。
このために
アイストップの開発責任者である猿渡氏は
まず社員全員を巻き込んでテスト社を運転
してもらうことから始めます。
営業だけではなく、
総務等の部門にもすべて声をかけて
試乗してもらうことで、
「そ
れぞれが専門の壁を壊し、社員全員が
自分の問題として開発に参加してくれるようになった」
そうです。
そ
してディーラーのサービスマンにも
乗ってもらうなどの施策を進め、
最終的には環境問題の高まりも手伝い、
全社を挙げてア
イドリングストップを普及させる方向へ
進んでいます。
この猿渡氏の開発手腕はさることながら
マツダという大きな会社を
ひ
とつの方向にまとめた、というところがスゴイところです。
結局開発も人です。
人の心を動かさずしてよいものはできません。
「イベント屋」といわれた猿渡氏、
それはまさに今どの世界でも必要とされる力です。
この技術が日進月歩で成長する中で、
誇れるスキルのひとつであることは間違いありません。