最終ニーズを満たすだけでは製品は売れない!


今日はニーズを満たすニーズ(?)について。



少し前に深夜番組で芸能人が

「頭に来ていること」、

というテーマで意見を交わしていました。



するとある芸能人の方が

「メガネ屋さんにむかつく」

という話をされていたのです。



それはこういうことでした。



「目が悪いから眼鏡が必要で買いに行くんだけど、

自分がかけているメガネをはずすと何も見えない、



それなのにメガネ屋は鏡を置いてあるだけで

買いたいメガネをかけても

そのメガネをかけている自分を見ることができない、



似合うかどうかの判断ができない」



と。



もちろん、他の出演者の方から



「めちゃくちゃ近づけば見えないんですか?」



という質問が出ていましたが、

それについてはこうでした。



「確かにめちゃくちゃ近づけば見えますが、

もっとトータルで見たい、

髪型とか服の感じとかと合わせて見たいでしょ」





あぁ、とてもごもっともだと思いました。

これこそユーザの意見だと。



私もコンタクトをとったら何も見えませんが、

コンタクトをはめた状態でメガネを選ぶので

この方のようなことはありません。





こういうことを思っている人は意外と多いと思います。

激しく同調される方も多いことでしょう。





その方は、



「カメラでも付けとけばいいんだ、

自分がとれて、それを(メガネをかけ直して)すぐに見れるような、

そんな仕組みがあって欲しい」



と言われていました。





マーケティング的には、



目が悪いけど見えるようにしたい、

というニーズがあって



メガネやコンタクトというニーズを満たす製品を提供することで、

メガネが欲しい、

というウォンツに達しているわけです。





しかし、そもそもそのニーズに対して提供する製品を

選択する際のニーズを捉え切れていない、

むしろ阻害要因となっている、

そういうことがいえます。



ただ、今はどの眼鏡屋さんも

そんな仕組みを用意していないので

顧客は我慢するしかありません。







ところが昨日、日経MJを見ていると、

埼玉県の十条電子さんが



メガネ販売店向けの眼鏡フレーム販売促進用ツール

「セルファー」を販売



とありました。





まさしく、前述の不満を解決する商品で、



カメラ機能を搭載した9インチワイド型液晶モニターを採用し、

選んだ眼鏡を掛けた顔を自分で撮影することができ、

その画像をモニターに映し出す、



さらには、異なる眼鏡をかけた画像を見比べることができるように

画面を2分割することも可能、



大きさは270mm×265mm



と眼鏡屋さんの棚にも置けるサイズです。



また、誰も使っていないときには

広告を動画と音声で流せる、



まさに不満を解決する商品だと思います。





私は十条電子さんの誰かが

あの番組を見ていたのかと思ったくらいです。







何にしても、顧客のニーズを満たすために提供する製品やサービス、

そのものが使い勝手が良かったり便利だったりしても、



いや、逆にそのものが良かったりすると逆に

それを選ぶための方法がなおざりにされたりしてしまう、



眼鏡という本当に身近なものでも気づかないということは

そうしたことが実は世の中にはまだたくさんあるのでは?



そんなことを思うとともに

自分たちが作る製品やサービスがそうでないように注意しなければいけない、

と思わされました。