続 「すごい会議」を読み返して

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前回書いた 「すごい会議」を読み返して では中身に触れなかったので、自分用に少し中身をまとめておこうと思う。流れとしてはこんな感じ。

  1. 中心となるメンバが緊張感をもって揃う
  2. 人の意見を気にすることなくそれを発表する仕組みを手に入れる
  3. 参加させられている気持ちから「何かをやってやろう」という気分になる
  4. 前向きな雰囲気を作る
  5. 達成しようとしていることの本当の障害が前向きなカタチで明らかになる
  6. 何かやってやろうという気分になっている
  7. 共有共感の持てる短期的な目標ができる
  8. 目標の達成のために担当分野が明確化される
  9. 目標達成のための計画ができる
  10. 計画の進行管理方法が決まる
  11. 目標の達成の障害となることにシステマティックにアプローチし、討議し、解決する方法を手に入れる

こんな字面だけ読むと、「それを手に入れたりするのが難しいから苦労してんじゃん」と思うに違いない。この本自体が物語調でどう手に入れるかが書かれており、1時間くらいで読み終わるので、迷ったときにはさくっと読み返したりする意味で手元に置いていて損はないと思う。ここでは、簡単にその流れを書いておく。ことは過去を振り返ることから始まる。

中心となるメンバが緊張感をもって揃う

この本の中では経営メンバが揃うことになっている。経営の傾いた会社の経営陣に経営コンサルが召集をかけるわけだ。とはいえ、実際はこれも大変なことである。第三者の召集だから不満ながらも集まるかもしれないが、社内であれば「何のために?」を明らかにしなければ集まってもこないはずだ。なので実際ははこの中に「仲間を集う」とか「誠意をもって説得する」とかそんなことが含まれているのは間違いない。そこは別問題なのでまた今度。

人の意見を気にすることなくそれを発表する仕組みを手に入れる

これは至極簡単である。意見を言う前に質問に対する回答を皆で紙に書いてから発表するだけだ。重複したりすることもあるだろうが、それも含めて人の意見に左右されることなく、思ったことを発表できる。また、発表に時間がかからないという効果もある。

参加させられている気持ちから「何かをやってやろう」という気分になる

ここは考え方次第だと思うが、人の意見を気にすることなく発表していくということは満遍なく発言することに他ならない。きっかけは強制的であれ、多くの場合、自分で何かを始めた(発した)ときには「やろう」という気になるものだ。きっと。

前向きな雰囲気を作る

会議とはもちろん問題があるから始まる訳だが始めから悲観的な気分で始める必要はない。それにはみんなで「今までに何が達成されたか」という質問を発表し合ってみる。もちろん紙に書いて。全員が発表するため平均的な意見が出てくるはずであるが「けっこうイケてるじゃん」的な意見が出てくるはずなので厳しい状況の中にも雰囲気が良くなるだろう。

達成しようとしていることの本当の障害が前向きなカタチで明らかになる

「会社全体として直面しているチャレンジに関してどんな問題点や懸念があるか」を皆で考えて発表しあう。紙に書いて。

何かやってやろうという気分になっている

前述の問題点や懸念点を「どうすれば〜か」に言い換えてみる。そこで全員が意見を言い終えたら、次の質問をもう一度皆に問うて考えてみる。「言わなかった問題、言えなかった問題、言ってはいけない問題は何か」を。ここで参加している上司なんかに配慮してためらってはいけない。(むしろそういう人を呼ばないということも考えられるが多くの場合そういう人が決定に関与するので排除するのは得策ではないように思う。)大抵誰かが思い切った意見を言えば、それに引きづられて出てくるのではないだろうか。例えば、そもそも「売れないのはそもそも製品がカスだから」などw。大抵、そこに本当の問題が隠されている。「売れないのはそもそも製品がカスだから」は「どうすれば凄い製品ができるか」に言い換えればよいだけだ。

ここまでは過去の話。これからは未来の話になる。ことを急ぎすぎて過去は分かっているので未来を論じよう、とこれ以降から始めようとするとおそらく失敗するだろうww

共有共感の持てる短期的な目標ができる

「このチームによってこれから半年で何が主な成果として創り出せるか」ということについて考える。紙に書いて。ただしそのときこんな風に書く。「X年Y月Z日までに〜(数字または測定できること)を達成することによって〜(欲しいインパクト)〜となる」。これを全員で考え、まとめればそれが戦略的フォーカスになる。例えば、「2012年3月31日までに新製品を考え社内にリリース&その経緯を説明することで戦略から製品までを作り上げられる集団として社内に認知される」とか。この戦略的フォーカスは短期的かつ明確にインパクトのある目標を全員で合意できることに意義がある。なので決定権のある人たちがいることがのぞましい。そして困ったときはこの戦略的フォーカスに立ち返れば、どうすべきか、何を選択すべきかが分かるはずだ。この戦略的フォーカスの一番のメリットは「目標を立てなければ怒り得なかったことの実現可能性が最大化する」ということである。火のないところに煙はたたない、と似たような、違う?ww

目標の達成のために担当分野が明確化される

「上述の目標を手に入れるために何をマネージすればよいか」を皆で考える。紙に書いて。例えば、開発、資金集め、製品設計、マーケティングなどなど。それを皆で出し合って整理し、担当まで決める。ここまでくると重要なことは「誰が何をしたいか」ではなく、「誰がどれを担当すれば最も効果的か?」を考えることである。教育的側面もあるならば話は変わってくるかもしれないが、目標を達成するということを最大限におけば、必然的にそうなるだろう。

目標達成のための計画ができる

それぞれの担当分野で次のXヶ月でそれぞれ何を達成すれば戦略的フォーカスが達成できるか、「X年Y月Z日までに〜を達成する」というカタチで3〜5個書いてみる。そこでお互いの他の担当にして欲しいことがあればそれも同じように日付をつけてリクエストする。これを集めて整理するとコミットメントリストができあがる。これが目標達成のための計画になる。

計画の進行管理方法が決まる

原始的だが有効なのは毎日の進捗チェックになる。朝会等をデイリーで行い、進捗をチェックしよう。ただし、「このままいくとスケジュール通りに終わるか?でないとすれば何日遅れるか?(または何日早く終わるか)」という質問をベースにチェックする。

目標の達成の障害となることにシステマティックにアプローチし、討議し、解決する方法を手に入れる

多くの場合、どんなにワクワクとして目標であっても、経験したことのない問題や課題にぶち当たり、悩みモードに入ったまま解決されないことはある。最終的にその問題の解決を「やる・やらない」まで落とし込めればよい。なのでこんなステップを会議の決められた時間内で繰り替えす。

  1. 問題を「どのようにすれば〜か」に言い換える
  2. 紙に書いて発表する
  3. 代替案を各自紙に書いて発表する
  4. どれを実行するかしないか決めて、担当者と期日と望まれる結果を明確にしてコミットメントリストへ記入する
  5. ミーティングの終了時間10分前になったら残った問題を誰がいつまでに解決するか(または放っておくか)を合意する

このような方法は見てみると大したことないか、すでにやってるけどダメだった、などという言葉を良く聞く。でもよくよく聞いてみると、やってるというのはごく一部だったりする。こういうことはトータルで考えるべきで、部品だけを見ても中々上手くいかない。このそれぞれの手法の目的は何なのかを理解し、それが今達成できているというならば部分的採用はありだと思うが、おそらくこういう本を手に取った時点、または「すごい会議」で検索した時点でそんなことはないと思われるww。なので大したことないように思うならなおさら、あまりアレンジせずに(悪い意味で「できるところから」とか思わず)忠実にやっていくことが重要なことではないかと思う。そしてそこには多くの困難が待ち受けていることは想像に難くない。そもそも「中心となるメンバが緊張感をもって揃う」ことから難しいのではないだろうかww そこはプライドを捨ててでもお願いしたり騙してつれてくるくらいのずるがしこさは必要なのかもしれない。結局、誰もが問題を解決したいと思っているわけで(たぶん・・・)、そこに上手くアプローチできる人と方法を多くの人は待ち望んでいるはずだ。