PR入門 〜新版 戦略PR(本田哲也著)の書評も兼ねて


最近、本田哲也氏の「戦略PR」を読んで
とても面白かったの書評のごとく記事にしてみます。

PR、という言葉がもてはやされています。

PRという言葉、
聞いたことのない人は少ないでしょう。
よく自己PRとかに使いますね。

PR、略さずに言うとPublicRerations
公的な関係、だそうです。

よく分かりません。
なので、PRというのはどういうものかというのを
戦略PRプランナーの本田さんの言葉を借りると

「周囲との関係をいい感じにしていく」
「企業や組織がその目的に達成していく」

そんな考え方をPRと位置づけられています。


で、そんな(戦略)PRというものが
なぜもてはやされているかというと、

広告とかだけでは売れない時代だから!!

に他なりません。


佐藤尚之氏の「明日の広告」という本を読まれた方は
おられるでしょうか。

私の中ではずっと持っておきたいほどの良書なのですが、
その中でこんなことが言われています。


ネットの出現、情報の氾濫(洪水)、そして市場の成熟によって
消費者は疑い深くなった、

と。


つまり我々消費者は賢くなったのだ、と。

広告はスルーする、
どんな商品も同じと高をくくる、
商品情報を教えあう、

こんな消費者たちを相手にするのに
どんなに商品がすぐれていても
広告量が多くても、
売れはしない、

そんな時代になった、

そんなことが書かれています。
消費者の視点で考えてみるとごもっともです。


で、出てきたのがPRという手法です。

簡単に言うと空気(=カジュアル世論)を作る、と本田氏は表現されています。

要はものを売るときに
その商品のよいところをいくら宣伝しても
消費者は試してみようともしない、
ならば、試してみようと思わせる空気を先に作る、ということです。

具体的な良い事例が同氏の本にあったので
ちょっとご紹介します。

あるオムツメーカーのお話です。
そのメーカーはよりフィット感の高く
赤ちゃんの足が動かしやすい、
というベネフィットをもつ商品を開発しました。

で、その製品を
「今までよりもより赤ちゃんの足が動かしやすいオムツ」
として売れると思いますか?

今ある他メーカーの製品が
よほど足が動かせないようなものなら話は別ですが、
そういうわけでもありません。

そこでそのメーカーは、
「赤ちゃんの睡眠」に着目します。

睡眠の重要性を研究している小児科医等と連携、
睡眠に対する意識調査を実施します。

その結果、日本の赤ちゃんは
欧米諸国に比べて夜更かししている実態が浮かびあがったそうです。

その結果をマスコミやブロガー、赤ちゃん雑誌等を通じて
広く世に展開します。

そして、世のお母さんに「赤ちゃんの睡眠の重要性と実態」とすり込んだあと、

「赤ちゃんの睡眠は大切。この商品は赤ちゃんの睡眠を助けます。」

という広告を一気に打ちます。
後は推して知るべし、という感じです。


商品を売る前に、売るための空気つくりをする
これがこの2年あたりで日本で日の目を見ている
戦略PRというもの、と理解しています。


時代は変わり、消費者は大きく変化しました。
本当に商品を差別化しても、
信用すらしてもらえない時代となってしまいました。
(確かに消費者としてはあまり信用していない・・・)

そんな時代にどう商品を買ってもらうのか、
規模の大小やターゲットの違いはあっても、
こうしたPRという手法は意識しておくべき、
そう思います。

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