カプセルコーヒー市場を独占するネスレを追う刺客
ネスプレッソ、
ネスレが提供するエスプレッソ、
コー
ヒー豆を閉じ込めた
カプセルを利用するコーヒーメーカーって言えばよいでしょうか。
(こんなに簡単に言ったら怒られるかな)
も
ちろん専用のネスプレッソマシンが必要なわけですが、
専用なのはマシンだけではありません。
一般的なコーヒーメーカーは
市
販のコーヒー豆を使えますが、
ネスプレッソマシンは
専用のカプセルしか使用できません。
そこにはもちろん特許が
あり、
そのネスレのそのカプセルはグラン・クリュといいます。
驚くべきことにネスレの最近の売り上げ増加分の5分の1は
こ
のネスプレッソ事業によるものだそうです。
ところが、そのネスレの独占市場に
切り込んできた企業があります。
サ
ラ・リーとエシカル・コーヒーです。
ともに独自のカプセルを開発し、
ネスプレッソで使えるようにしたのです。
おっ
と、そのネスレの方式は特許で守られていたのでは?
そのとおり、
しかし、エシカル・コーヒーのCEOは
実は元ネスレのネ
スプレッソ担当、
2年ほど前にネスプレッソ特許の欠点を発見し、
それ以来、対抗製品の開発に力を注いできたそうです。
も
ちろんネスレは特許侵害による販売禁止命令を出しているようですが、
交戦中のようですね。
ではそんな戦いが繰り広げられるカプセ
ルコーヒーの市場は
どうなっているのでしょうか。
サラ・リーの分析によると、現在の市場は約4000億、
しかも、この先
12年までに3倍になると予想されています。
ネスレの対抗策としては、
限定商品の数を増やす、
ライバル製品を取
り扱う小売から自社製品を引きあがる、
など憶測が飛び交っているようですが、
定かではありません。
とはいえ遅か
れ早かれ最初にヒットした製品は
類似製品で追いつかれるものです。
そのとき、追いかける企業は二つの戦略があります。
同
質化と差別化です。
同じ製品で食い合いを仕掛けるか、
リーダー企業が真似できない戦略でいくか、
ということで
す。
この場合、2企業とも前者を選択していますが、
ネスプレッソというマシンの普及を考えると
うなづける戦略ではありま
す。
ハードではなく、ソフトで勝負する、
というよくある図式というわけです。
ただ、市場のほとんどを押さえてい
るリーダー企業に対して、
同質化戦略を試みるには
それなりの体力が必要です。
しかも特許との戦いもあるとなると、
こ
の2社の戦いは相当厳しいと予想しますね。
なので、個人的にはどちらも途中で何らかの
方向転換をすると見ています。
それ
もまた良くある話ですが、
どちらにしても戦略の行方としては見ものですね。
ちなみに後者の戦略で有名なのは、
マックとモスの戦いです。
圧倒的リーダーのマックに対し、
モスは国産牛というマックに絶対に真似できない戦略をとりまし
た。
あれは見事な戦略でしたね。