話題性抜群な広告のリスク 〜NY中のポスターモデルが赤ちゃんに!?
今日はユーザー参加型広
告を。
ユーザー参加型広告とは
とてもきれいな言い方ですが、
寄生虫型広告と言っている人もいるようです。
公共
物や他の広告の上に
ステッカーなどを貼り付けて
一緒に宣伝してしまおう、
そんな感じでしょうか。
そ
のよい例が日経MJに出ていました。
「NY中のポスターにおしゃぶり」
無名アパレル、一躍脚光
という見
出し、
何かというと、
ある幼児用アパレルメーカーが
ニューヨークのビルの壁やパス停、
電柱などに張られているポ
スターに登場するテレビスターやモデルの口に
おしゃぶりを加えさせたわけです。(ステッカーで)
効果は絶大、
YouTube,Twitter
も黙っておらず、
いっせいに取り上げられました。
これと並行して、
本物のおしゃぶりをスタバやマック、
地下鉄や
バスの中におき、
そのおしゃぶりにウェブサイトのアドレスを付記していたところ、
ものすごいアクセスがあったそうです。
こ
の広告の作成者は、
「若い親の中に潜む私も赤ちゃんになりたいという
気持ちをくすぐった」
らしいのですが、
ちょっ
と私はそういう意図が作用したかは疑問です。
何にしても話題性としては抜群、
無名アパレルメーカーだったエッグベービーは
一
躍有名になり売上も急増という結果となりました。
他にも、
吸血鬼映画の宣伝のために、
ポスターの中のモ
デルの首筋にステッカーを二つ貼り付けて、
まるでそのモデルを吸血鬼の犠牲者のようにする広告や、
自転車の標識の後輪の下にス
テッカーを貼って、
パンクしたように見せる自転車修理の広告、
など色々とこうした手法を使った広告があるようです。
そ
んな勝手に標識や他のポスターにステッカーを貼っていいのか、
というといけないと思うのですが、
その辺りの契約がどうなっているのかは分
かりません。
日本では到底許可できない事例のように思われます。
ちなみに吸血鬼の映画宣伝の例では、
広
告主だけではなく、
面白がったユーザーがみんなで
同じようにステッカーを貼るというように
ユーザーの行動を誘発しています。
ひ
とつのユーザー参加型で
面白い企画だとは思うものの、
その話題性のみが先走り、
実際に製品訴求が上手くできているとは思
えないので、
こういうやり方は
よほど製品やサービスに自信がないと
迂闊に手が出してはいけないと思います。
ユー
ザーは興味をもってみた製品やサービスが
見込み違いだったときほど落胆することはありません。
もしもそうなったときは
客
離れをとめることと、
再びユーザーを取り戻すことは容易ではない、
そんなリスクの高い広告手法のように
感じますね。