ゲオの決算書に見る粗利率改善の不思議!?
今日はゲオのお話を。
ゲオが先月の決算発表で
10年3月期連結決算の営業利益の予想を上方修正しました。
そもそもゲオは最近どこまで手を広げているのかというと、
レンタルCD・DVDはもちろん
ゲームの販売・買取・通販、
セルCD・DVD、
宅配レンタル、
さらには家電、PCソフト、香水まで売っていますね。
家電なんかは通販なので
まぁ置いておいても、
基本はTSUTAYAと変わりません。
TSUTAYAの決算を見ると、
売上高は 975 億円 (前年同期比 85.5%)、
営業利益 64 億円(前年同期比 84.9%)、
経常利益 68 億円 (前年同期比 84.2%)
と芳しくありません。
これは、CD・DVDの販売が不振に終わったからのようです。
では、ゲオはそこは不振ではなかったのかというと、
売上自体は別に伸びていないどころか下がっています。
やはりこの業界も「個人消費の低迷」というところは
避けられないようですね。
でもゲオの場合、利益率改善により営業利益は増加したという
発表をしています。
特徴的なのは決算報告の
「旧作DVD投資に関する減価償却額の大幅削減により、粗利率が大幅に改善」
というところです。
確かに決算書を見ると
減価償却費が30億程度減っています。
ではなぜ減価償却額が減るのでしょうか、
関係ありそうなところを探していくと
ゲオは昨年7月から旧作DVDを100円でレンタルしてあたったとあります。
これでしょうか。
旧作のDVDなんかは
すでに償却されている(可能性が高い)ということですね。
ということは減価償却費はかからない、
100円に値下げはしたけど償却費がかからないのでその分粗利は増す、
ということだろうと思います。
しかもDVDは劣化しない(傷はつくけど・・)ので
長期間こうした仕組みが可能になる、
値下げをしても利益があがるということの
カラクリがこうして考えると見えてきます。
大前研一氏が
CDやDVDなんて劣化しないから
極限までレンタル費用を安くしたとしても利益を残せる仕組みに変わった
と言われているのはこのことだろうと思っているのですが実のところは分かりません。