キリン VS サントリー、水面下で繰り広げられる統合比率をめぐる攻防!
今日もサントリーで。
サントリーとキリンの統合交渉は
どうなっているかは分かりませんが、
暗礁に乗り上げたとは聞きません。
サントリーのHPにはこう書かれています。
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「当社とキリンホールディングス社とは経営統合へ向け交渉をしておりますが、
まだ初期段階であり、現時点では具体的に決定している事実はありません。」
======================(サントリーのHPから引用)
確かに決定はしていませんね。
ただ両者ともに国内市場の縮小を見据え、
海外への展開を視野に入れた発展的統合の模索であり、
統合後の両者の関係交渉など気になるところです。
そんな中、サントリーホールディングスが
フランスの大手飲料メーカー、
「オランジーナ」の買収を発表しました。
こっちは統合ではありません、「買収」です。
しかも交渉に入った、ではなく決まりです。
オランジーナとは私は知りませんでしたが、
欧州の非炭酸の清涼飲料市場で2位と小さくはありません。
(ちなみに1位はコカコーラ)
過去にはアサヒビールも買収に乗り出した企業のようです。
確かに旨味はあります。
何しろ欧州2位ともなると欧州の流通網があります。
その流通網を使って
サントリー系の海外飲料の販売拡大への
大きなきっかけになります。
それだけではなく、
オランジーナ単体でみても
営業利益率の高さなど、自力もあります。
買収金額は3,000億円、
サントリーの買収額としては過去最大、
では上記のようなメリットがあるとしても
なぜこの大型統合交渉中のタイミングで大型買収なのでしょうか。
それは簡単なことで、
キリンとの統合交渉が関係しているようです。
この買収により、両者の海外売上高比率はどうなるかというと、
キリンが25%、サントリーが21%とかなり差がなくなります。
(買収前のサントリーは同12%)
ということは、そう、
よく新聞で踊る「統合比率」の駆け引きが行われているということです。
統合比率とは、
簡単に言えば、お互いの株の価値比率のことですが、
(サントリーとキリンが同価値なら1対1)
サントリーにとっては、
例えば1対1になるべく近づけたいのは当たり前、
しかし企業規模から言ってそうはならないので(1対0.5〜0.7と言われていたような・・・)
そうした差をなるべく詰めておいて交渉に臨みたいところでしょう。
感のいい人は、
サントリーは非上場なのに株価の価値ってわかんの?
と思われるでしょうが、
確かに実際には株価から時価総額が算出できないので
EBITDAという概念を使うそうです。
EBITDAって知らなかったのでwikipediaで調べてみると
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税引前利益に、特別損益、支払利息、および減価償却費を加算した
損益計算書上に表示される会計上の利益ではない。
================(wikipediaより引用)
だそうです。
税金を考慮しない(期末)純利益から営業外費用をごそごそしてますが、
それをどう使うのかは私には良く分かりません・・・。
なんにしても
オランジーナの将来性も含めて
サントリーが今回支払う対価としての3000億、
キリンとの交渉による「統合比率」にどのくらい影響を与えるのか、
それによってこの投資の是非が問われることになります。
その辺りも注目しながらこの統合交渉を見ていると
中々面白い、
いつの日か、新聞に「統合利率」の文字が躍ると思いますが、
どうなっていますかね。