ハイボールブームにみるサントリーの凄さ


最近というか、

ちょっと前からハイボールが流行っていますね。



流行始めたのはなぜだろうと

ずっと思っていたのですが、



結論的にはサントリーが頑張った、

ということでしょう。



確かにCMは秀逸にできあがっているのは認めるんですが、

ではそれだけなのでしょうか、



といっても改めてCMを

YouTubeで見てみると



「すごいハイボール」篇、

「港街」篇

「港町 薄暮」篇

「おいしいハイボールの作り方」篇

「北海道の夜はハイボールから始まる」篇

「九州の夜はハイボールから始まる」篇

「私は氷」篇

「ちょいしぼ」篇

「注文」篇

「来店」篇

・・・



とすごい勢いです。

他にも福島篇など30数パターンあるようです。



YouTubeにあるものは全部見ましたが、どれもテイストをくずさず

商品のイメージも損なうことなく上手く出来ていると思います。



歌もゴスペラーズ石川さゆり

大人の雰囲気をかもし出します。



さらには、



「飲めますね、ウィスキー苦手な人も」



という小雪の言葉にある

ウィスキーを知らない世代へのさりげない誘導も秀逸です。



作り方篇では

炭酸水との比率、

マドラーを縦に一回などの混ぜ方などの

魅せ方も見事です。



レモンを絞る、

「ちょいしぼ」という提案は

男性のみならず、女性も背中を押されることでしょう。





こうしたCMを見るだけでも

サントリーの思いは見て取れます。



いわゆる若年層への切り込みです。



やはり、ウィスキーというのは

40代以上の飲み物というイメージは否めない、



それを炭酸水とともに飲みやすさというところに重点を置いて、

一気に切り崩しにかかるという作戦のように見えます。



CMタレントに「小雪」を使ったというのも

そのイメージ戦略のひとつでしょう。





しかし、サントリーはCMにも見事な力のいれようですが、

そもそもある時期から居酒屋等で

こぞって「ハイボールあります」という宣伝がなされるようになりました。



これもサントリーの思惑通りでした。

「飲む場の提供」というサントリーの戦略です。


どうしたか、


サントリーは「角ハイボールナイト」キャンペーンと銘打ち、

北海道や青森等の各地で、

各地の居酒屋、酒屋の関係者を招待し、

ハイボールと食事の相性の良さをアピールするパーティを行いました。



サントリーの公式ブログでも

度々参加募集がされています。



その際、

ジンギスカン(北海道)や浜松ギョーザ(静岡)など

各地(そのパーティが行われる場所)の名産品と合わせるそうです。



地元としては、

名産品と合うなら一石二鳥、



ここにもサントリーの上手さが光ります。





そしてサントリーのサイトにいってみると、

ハイボールが飲める店まで

地域ごとに紹介されています。



サントリーグルメガイドを用意(連携)し、

クーポンまで用意する周到さです。



さらには、専用のソーダまで作りだしています。

The PremiumSoda from yamazaki


こだわり派はつい手を伸ばしてしまうでしょう。



また、地味に上手いと思うのは、

小売としてセット販売が可能ということです。


ウィスキーのみならず、

炭酸水も売れるわけですから、

炭酸水のPB商品をもっているところ(セブンアンドアイとか)は

宣伝にもなるわけです。


そのため小売もハイボールを勧めることに

メリットがある、



実際、セブンイレブンやヨーカドーでは

角瓶の横にPB商品の炭酸水がおいてあります。



最近は、ウィスキーコーナーに

小さな液晶で上記のCMを流しているところも多いですね。




そうして、世間の認知度があがってきた頃、

先月、サントリーは角ハイボール缶をコンビニ限定で売り出しました。



何となく気になっていたけど、

角瓶買って、ソーダ買ってってめんどくさ、



と思っていた人も気軽に試せる缶での販売、

もう包囲網は万全です。



その攻めはやはり当たります。


販売開始1ヶ月の一昨日、

サントリーは角ハイボール缶の年間販売計画を1.8倍に上方修正しています。




現在のハイボールブームの中心は

過去の流行(昭和30年代)を知らない若い世代、



まさにサントリーの飲み場所作りに始まり、

取扱店の紹介やソーダ水の販売など居酒屋や小売にもメリットのある戦略、

そして缶での攻勢でお手軽さも最後に、




平成のハイボールブーム、

サントリーにしてやられましたね。