東芝の西田元社長の最後の言葉に見る次代への配慮


今日は東芝の話題を。



東芝といえば、

そうブルーレイディスク市場参入です。



4日に11月から米国で

BD再生専用機を売り出すと発表しました。



私は、東芝がDVD規格争いで負けた後、

後発でBDに参入するかと思いましたが、

簡単ではなかったようです。



それにしても、一時期中国では

やっぱりHDに、となって10億市場がHD選択で競争が再燃、

みたいな話が持ち上がっていた気がするのですが

どこへいったのでしょう。





東芝のBD参入、当初は全く頭になかったようです。



というのも、あまり私は考えていなかったのですが、

何百億もかけて研究開発を実施してきて、

現場は死に物狂いでがんばってきて末に撤退・・・



現場の人間はやはりすぐにBD開発に着手、といっても

切り替えるのが中々難しいところしょうし、

経営陣も同じだと思います。



実際に、

社内のコンセンサスを得るのは容易ではなかった、

と関係者が言っています。



当初は

「BDについて話すのはNG」

「BD参入の空気はまったくなかった」

と言います。





この流れに当時の西田社長が

6月の株主総会でこういいます。



「(規格争いに)負けたから一切(BDを)やらないということではなく、

柔軟性をもってフレキシブルに対応していきたい」



この言葉は、佐々木副社長への「配慮」と言われています。



この総会をもって西田社長は会長に退き、会社は新体制になる、

西田厚聡個人の意思ではなく、

最大の責任者としての最後の言葉、



過去の自分の意思決定に対する意地やプライドで

次期体制を暗黙の内に縛るのではなく、

機会を奪わずその土壌を作る、



見事は引き際だったといえます。



もちろん、前述のように現場も意地があったでしょう。

開発現場として、



今までライバル視していたものを自社でも作る、



・・・葛藤がにじみます。





しかし、佐々木新社長の言葉よりも

規格争いを牽引してきた西田元社長が意地とプライドを捨てて残した言葉、

現場もつらいが全責任を負う者としての言葉、

応えようと思った社員も多いのではないでしょうか。



東芝はこれからBDへの参入、

そしてその先、脱DVDを睨んでSSD搭載の次世代テレビの開発、

と次も見据えています。





大なり小なり上に立つ者ならば

言葉や覚悟をどう示すか、

考えさせられる西田会長の言葉でした。