あの人に言っても仕方がない・・・

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今日hatenaで20代の社員に「アホは出口さんです」と言われましたという記事が上位だったので読んでみたら面白かった。ライフネット生命の出口さんと社員のやりとりというかコミュニケーションが書かれた記事なのだが、独特の社風が見て取れるし、理にもかなっている。

まずはこんな記述。

 60代の頭では、20代、30代のことが分からないのだ、と。当たり前じゃないか、と思われるかもしれません。けれども、私のようになまじひとつの業界で経験を積んでいると、自分の経験のほうを重視しがちになってしまうのです。
 ただ、コミュニケーション、とりわけウェブでのコミュニケーションは、その舞台での中心が20代30代です。だったら彼ら彼女らの文法に従うのが筋、というものです。

これは中々潔いというべきなのか、普通は「自分の経験のほうを重視しがち」になって当然である。若手に負けたくない気持ちもあれば自分の生きてきた道を否定されたくもないから。「顧客のことを考えろ」という上司は多いが、そうであれば出発点として「顧客に近い」人材の言うことを信じてみることが一つの選択肢ではある、ということに気づかされる。

もうひとつ。これはちょっと耳が痛いひとがいるかもしれない。

40代半ばから上の、会社で偉いポジションに就いている読者の皆さん。もし皆さんが、会社で「俺は聞いてないよ」という経験を何度もしていたら、それはあなたが、年下の社員たちに「あの人に言っても仕方ない」と思われている証拠なのです。

これはあると思う。下の人間も自分の意見を通すことに必死なことに違いはない。そうであれば話の分かってくれそうなところから攻めるのは当然である。ただ、日本はおそらくよくできた人材が多くて、「俺は聞いてない」を最後まで放置することは少なく、何らかの形、しかもその人の顔をつぶさないように後処理をすることもよくある話のように思う。そこまで深読みすると、気分は悪い状況ではなくても、後から聞くことが多いという人は「あの人に言っても仕方ない」と少なからず思われている可能性は否定できない。