マルコメ号が切り開く新市場

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マルコメと言えばお味噌、それも家庭でお味噌汁を作るための味噌や即席味噌汁までお世話になっている人は多いことだろう。さて、そんなマルコメのHPを見ると、ディップや糀ジャムなんかも作っているようだ(知らなかった)。とはいえ、共働きの多い昨今、味噌汁を家庭で一から作るなんてことは昔に比べると少なくなったに違いない。でも日本人なら誰もが嫌いなわけじゃない味噌汁、そんな需要にマルコメが切り込む。

もともとのビジネスモデルはお味噌や即席味噌汁の消費財としての需要、つまり一回きりの製品ではなく、一定周期で購入してもらうモデルである。こんな感じ。

そんなマルコメは今年キッチンカー「マルコメ号」を導入して、1杯100円の味噌汁を売り歩いている。具材は6種類から2種類を選ぶようだ。確かに忘れていた味噌汁をふと飲むと「あぁ家で作ってみよう」という思いがわくだろう。このマルコメ号での100円販売は一定周期で味噌や即席味噌汁を購入する消費者へ誘導する布石なわけだ。

そして、実はマルコメは昨年オフィス用味噌汁サーバー「椀ショット」を発売し5000台のヒットを飛ばしている。これはサーバーに液味噌をセットしてまるでコーヒーメーカーのように味噌汁を作ることができる商品で今や「椀SHOT倶楽部」というサイトまであるほどだ。「なくても困らないけどあれば飲む」層に目をつけた商品である。これも前述の1杯100円味噌汁と同じで、需要を掘り起こし、一定周期で味噌を購入する顧客に育てるとともに、「椀ショット」単独でも定期的な液味噌の購入、具材の購入を見込んでいる。この椀ショット、単体で2,980円と何ともお値打ち。さらに液味噌と具材がセットになった「オールイン椀ショット(トライアルセット)」は3,980円とさらにお得感満載だ。なので最終的にはこういう形になっている。

こうしたすべての施策はあくまで原点としての味噌を購入してもらうためのものであり、そこにマルコメのプライドを感じる。